
免疫・リウマチ
GROUP
幅広いサブスペシャルティ領域のグループがあります。
各専門領域のスペシャリストと
安全かつ高度できめ細かい医療を提供しています。


免疫・リウマチ


主な対象疾患
自己免疫疾患(膠原病・リウマチ性疾患)、自己炎症疾患、血管炎症候群、免疫不全症
この診療グループの強みや特徴
- 自己免疫疾患に関しては、非感染性ぶどう膜炎の難治例を眼科とタイアップして診療しており、近隣の県からも症例が紹介されています。
- 自己炎症疾患に関しては、周期性発熱で最も多いPFAPA症候群において、すぐに扁桃摘出に頼らず、できるだけ内服治療で完結しようと試みています。
- 血管炎症候群に関しては、難治性川崎病の治療において、できるだけ血漿交換をせずとも後遺症を最小限にする工夫をしています。
- 免疫不全症に関しては、東京都の拡大マススクリーニング検査で要精査となった例の一次精査を請け負う都内8施設の中の一つに指定されています。
患者さんに対して心掛けているケアやサポート
患者さんおよびそのご家族には、できるだけ心情に寄り添い、細かい訴えにも耳を傾け、一見関係なさそうに見える症状の関連を探ることを心がけています。
現在行っている研究プロジェクト
- 重症川崎病のコホート研究→RAISE不応予測例への治療戦略
- PFAPA症候群のコホート研究→H2 blockerの有効性の検証
- 重症IgA血管炎のコホート研究→ウリナスタチンの有効性の検証
- 重症ぶどう膜炎のコホート研究→インフリキシマブの有効性の検証
- 炎症性疾患における細胞内サイトカインの解析も含めたサイトカインプロファイルに基づく病態解析の試み
この研究を通して目指していること
- 重症川崎病に関して、重要な合併症である冠動脈病変の発症をできるだけ抑えるために、一次強化治療の予測を立てられるスコアを確立し、冠動脈病変発症のリスク因子を解析し、合併症の発症を抑える治療戦略を確立すること。
- PFAPA症候群に関して、できるだけ内服治療で有効性を最大化する戦略を確立する。特にファモチジンにおいて適応疾患となること。
- IgA血管炎の重症度スコアを作り、ステロイド(プレドニゾロン)不応例を予測し、そのような難治例に対する治療戦略を確立すること。
- 小児のぶどう膜炎に認可された生物学的製剤が限られており、小児の非感染性ぶどう膜炎におけるインフリキシマブの有用性を実証し、ベーチェット病の難治性ぶどう膜炎以外でも疾患適応となること。
- 治療戦略が定まっていない炎症性疾患における主要なサイトカイン分泌細胞を解析し、治療ターゲットを定められるようにする。
共同研究
- 川崎病のコホート研究に関しては、埼玉医科大学総合医療センター小児科と共同研究の予定。
- PFAPA症候群とIgA血管炎に関しても、埼玉医科大学総合医療センター小児科と共同研究の予定。
- 小児の重症の非感染性ぶどう膜炎に関しては、当院眼科とタイアップして症例の解析を進めていく予定。
教育の中で特に強調しているポイント
学生に対しては、鑑別診断の重要性、スクリーニング検査の重要性を強調しています。
研修医に対しては、鑑別診断に基づいた病歴聴取・身体診察・検査計画の重要性を強調しています。
今後の教育活動
看護師に対して、治療薬剤の基本、疾患病態の基本などを講義する予定です。
看護大学の学生に対する講義や実習。
診療グループで働く医師のキャリアパス
まずは小児科専門医を目指すために、症例報告、論文発表を行うよう教育しています。
小児科専門医を取得したら、リウマチ専門医、アレルギー専門医などのサブスペシャルティの専門医を目指すために、更なる症例報告、論文発表を行うよう教育しています。
新人医師やスタッフに対して提供している支援や指導
予定されている医局員向け、研修医向けの講義以外にも、リクエストに応じて不定期にレクチャーを行います。
キャリアを進める上で、この診療グループで学べること
免疫は病態を考える上での基礎になり、すべての疾患の考察に役立つものと考えています。必要に応じて、フローサイトメトリーやELISAなどの基礎研究も指導します。

原発性免疫不全症に加え、小児の自己免疫疾患、自己炎症疾患、血管炎症候群、アレルギー性疾患などの様々な小児炎症性疾患のダイナミズムな免疫病態を臨床の現場で一緒に考察し治療戦略を検討し学んでいこう!
