
保健
GROUP
幅広いサブスペシャルティ領域のグループがあります。
各専門領域のスペシャリストと
安全かつ高度できめ細かい医療を提供しています。


保健


主な対象疾患
虐待疾患、養育支援、事故予防(SIDS含め)
この診療グループの強みや特徴
- 多機関連携に長けています。(警察/検察/児童相談所/子供家庭支援センター/保健センター/学校含め要保護児童対策委員会)
- 児童相談所からの一時保護委託を受けています。
- 児童相談所に月1回医学診断として医師を派遣しており社会貢献に携わっています。
- AHTや性虐待対応など特殊な虐待に対して専門的なアプローチで対応が可能です。
- 系統的全身診察の受け入れや、虐待案件の鑑定書・意見書作成、警察検察への医学的側面アドバイスを行っています。
- 事故予防への家庭介入を保健センターと共同して行っています。
患者さんに対して心掛けているケアやサポート
支援ベースで関わるように心掛けています。
現在行っている研究プロジェクト
令和2年度厚生労働科学研究費補助金
課題名:児童虐待対策における行政・医療・刑事司法の連携推進のための協同面接・系統的全身診察の実態調査及び虐待による乳幼児頭部外傷の立証に関する研究(19AA1001)研究分担者として東京医科大学小児科・思春期科学分野医師担当。
以下の3つの研究に分かれており、3の研究について当教室は検査を担当し、かつ多施設共同研究施設でもあります。
- 協同面接・系統的全身診察の実態調査(調査済)
- AHT症例に関する医療者と警察・検察との連携に関する研究(AHTアルゴリズム作成済)
- AHT病態生理学的研究 (多施設共同研究中)
頭蓋内出血の中でも、虐待による乳児頭蓋内出血(特に暴力的な揺さぶり例)は早期に脳浮腫が起こるとされており、事故による頭蓋内出血例と明らかに意識清明期がないことで知られています。出血を認めた症例の髄液や頭蓋内液体貯留を採取し、サイトカインやアミノ酸、メタボローム解析を行うことで、科学的な違いをとらえることを目標としています。現在進行中。
この研究を通して目指していること
AHTの病態解明により、司法における医学論争に終止符を打ちたいです。
共同研究
東京科学大学、兵庫県立尼崎総合医療センター、大阪急性期・総合医療センター、労働者健康安全機構中国労災病院、国立成育医療研究センター、京都大学、京都府立医科大学、大阪市立総合医療センター、神奈川県県立こども医療センター、北九州市八幡病院、愛仁会高槻病院、沖縄県立中部病院
教育の中で特に強調しているポイント
Child First
今後の教育活動
日本こども虐待医学会(JaMSCAN)研究委員会主導で予定している研究
仮題名:日本虐待レジストリ研究(J-CARE)
昨今、司法において(医療とはかけ離れた土俵で)、ありもしない医学論争が繰り広げられています。その現実が社会において大きな影響となり、医療界においても、その限りではありません。その背景として、虐待対応は多機関連携が多く、虐待医学の知見が浸透しにくい状況にあります。アメリカでは身体的虐待・ネグレクトに限局したレジストリ研究はあるものの、その他虐待のレジストリはありません。本邦のデータに基づく研究を推進するためには、本邦独自のレジストリを構築し、全国のデータを収集する必要があります。J-CAREが構築されることにより、今後日本オリジナルの虐待研究が期待されます。当教室はJ-CARE作成に参加しています。
レジストリ研究の目的は、日本独自の虐待医学研究を推進していくことです。具体的には下記の2つです。
- 各医療機関における虐待診断・診療・対応の質向上
- 日本全国虐待医学診療の底上げ、均霑化
診療グループで働く医師のキャリアパス
本領域の専門医は今のところありませんが、学会で専門医化する動きは出てきています。
BEAMS(虐待啓発プログラム)の講師は現在在籍しており、受講した後に、今後教育側に携わることが可能です。
新人医師やスタッフに対して提供している支援や指導
月1回のCPT会議、検察官との勉強会などを通じて、事故予防や支援をベースとして外来診療、虐待診療について継続的な提供を行っています。
キャリアを進める上で、この診療グループで学べること
Child Firstのもとに、養育者こそ最大の子どもの支援者であるという、小児科医としての根本を学ぶことができます。

養育の問題や悩みについて、時に虐待について、子ども中心に家族と一緒に考えていくことに、小児科の真髄があると思います。育児の在り方はひとつだけではありません、子どもの未来を一緒に考えていきませんか?
